
主要メンバー
-
営業
(セールス&
マーケティング)
S・S -
機械設計
(プラントエンジニア)
転炉設備担当
S・N -
プロキュアメント
マネージャー
S・O -
品質管理
N・T -
機械設計
(プラントエンジニア)
OG設備担当
T・U -
制御設計
(プラントエンジニア)
N・H -
サイト
マネージャー
K・S

場所
ベトナム
受注
2012年7月
稼働
2017年6月
納入製品:転炉製鋼プラント一式転炉とは?
機械攪拌式脱硫設備
(KR)
300t×3基

転炉設備
300t×3基
転炉

OG設備

RH式真空脱ガス設備
(RH)
300t×2基

取鍋精錬炉(LF)
300t×1基

本プロジェクトは2000年代以降、急速な経済成長を遂げるベトナムで計画された、当時としては世界最大級となる同国初の大型高炉一貫製鉄所の建設に参画したものです。当社では製鉄所の中核設備となる製鋼プラント設備のエンジニアリング、機械設備・電気設備の供給を担い、受注から5年もの歳月をかけ、このプロジェクトを成功させました。
設備が完工するまでの道のりは苦難の連続でした。当社約60名、協力会社含め総勢120名のスタッフが互いに協力しながら、いくつもの壁を乗り越え、2017年6月1日についに初出鋼の日を迎えました。それ以降現在に至るまで、東南アジア最大級の生産能力を誇る製鉄所として順調に稼働を続けています。
これらの設備は当社の半世紀以上にわたる国内、海外での豊富な実績と先進の技術を結集した結果、理想的なプラントレイアウトを実現することでチャージ数(生産能力)を飛躍的に上げるとともに、人命を最優先としたフェールセーフ思想が随所に組み込まれた安全性の高いオートメーション技術を有しています。当社が手掛けた製鋼プラントでは最大の規模となり、納品した設備の総重量はボーイング787のおおよそ60機分となる約12,000tです。
この製鉄所が操業を開始したことで同国の鉄鋼生産量は急速に拡大。今後は国内だけでなく、東南アジア各国への外需に対応した鋼材供給拠点としても期待されています。

プロジェクトの流れと組織図(当時)
クライアント
当社にとってのお客さま。
ニーズをしっかり
把握し的確に
対応することで信頼関係を構築する。



Around 2002 受注活動


受注まで10年
欧州ライバルを制しての獲得。
私は2004年頃から本案件に関わりましたが、事業許可、土地収用、土壌改良等で時間を要し受注するまでに10年弱の歳月がかかりました。
受注にあたっては、当時、円高・ユーロ安の状況で日本企業にとっては逆風の中、ライバルである欧州勢との激しい競争となりました。最終的な決め手となったのは、地道なプレゼン活動や設備見学など現地でのきめ細かい営業活動と、転炉プラントの実績と技術力でした。
そして長年の受注活動中に、お客さま方と強固な信頼関係を築けたことが、その後の5年間に生じた多くの諸問題を互いに助け合い、プロジェクトを成功に導けた大きな要因になったと思います。

営業
(セールス&
マーケティング)
S・S
当時入社12年目
(出資会社入社)
2012.Jul.
受注・基本設計・詳細設計


目標に向かい協力し合い
喜びを分かち合えるのが
プラントエンジニアの醍醐味。
入社2年目の未熟な中、ベテラン上司の指導のもと設計から試運転までを行い、さまざまな経験ができました。
設備完成までは苦難の連続で、試運転終了までに製作した図面は、私が引いたものを含めなんと8,000点以上にもなります。また、当時は、現地スタッフとの知識や技術の差も大きく、設計した通りのスペックを出すために、何度も対話を重ねハードルを越えていきました。
「現場を通じさまざまな人と一つの目標に向かって協力し合い成功の喜びを分かち合う」という経験が出来ることがプラントエンジニアの醍醐味です。この時の経験は現在でも技術面に加え、人とのつながりという面でも生きており、関われたことに感謝しています。

機械設計
(プラントエンジニア)
転炉設備担当
S・N
当時入社2年目
(新卒入社)
2013.Mar.調達


成功の要因は、
社内外120名の一致団結。
本プロジェクトの遂行にあたっては、①知見・知識の差が大きい中での折衝、②海外製作品の納期・品質管理、③現地工事の大幅な遅延、④滞在時の環境と折衝など、さまざま問題が生じました。これらを、社内外(多国籍連合)の約120名が一致団結し「適時」「適質」に業務を実行したことで、設備のスムーズな立上げとお客さまの満足に加え、工事収益の大幅な改善と関係者全員の達成感、成功体験も得ることができました。
個人としても組織としても、エンジニアリング力の大きな向上を実感できた案件として、私の記憶に今も強く残っています。

プロキュアント
マネージャー
S・O
当時入社27年目
(出資会社入社)
2013.Jun.製作・検査・輸送


大切なのは、「人」対「人」で
仕事ができる環境づくり。
2012年5月から本プロジェクトへ参加し、複数の国を移動しながら製品品質・工程管理と大忙しの4年間でした。
一番苦労したことは、考え方の異なる人にこちらの考えを「理解してもらう」ということ。製作メーカーに依頼する際には、その製作物がどういった使い方をされるのかを説明することで、何が重要で何処に注意が必要かが伝わり、品質の確保につなげることができました。またメーカー側からも質問しやすいように風通しの良い状況を作りました。
相手の話を聞き、こちらの話を聞いてもらう、というコミュニケーションの基本を大切に「人」対「人」で仕事を進められる環境作りを今も常に心がけています。

品質管理
N・T
当時入社4年目
(中途入社)
2015.Mar.据付


いくつものトラブルを
乗り越えたその先に。
OG設備は建屋内を縦横上下に配管・ダクトが走るため、設計時も、現地でも関係各所への確認・工程調整に追われました。設備の特性上、マニュアル通りにいかない場合の対応に迫られることもあり、そのさじ加減に苦慮しました。
また言葉の壁に加え、日本以外の国同士の関係悪化で現地スタッフが引き上げてしまうトラブルに見舞われたほか、環境問題も発生し、1年以上も工期が遅れ、その間、放置を余儀なくされたことで製品不良も発生しました。
さまざまなトラブルを乗り越えて、なんとか立ち上げることができたのは、当社が単品の機器屋ではなく、プラント全体を設計している会社であるからだと思います。それを実感できたプロジェクトでした。

機械設計
(プラントエンジニア)
OG設備設計担当
T・U
当時入社7年目
(新卒入社)
2016.Apr.試運転


考えていた通りに
設備が動いていく達成感。
当時は他の海外案件を抱える中でのプロジェクト参加でした。複数の設備を担当し、機械設計部署の担当者とあれこれやりとりを重ねながら頭をひねらせ、読み手がわかりやすいように資料をまとめました。一方で目をこすりながらひたすら図面とにらめっこという作業も多かったです。
その後は現地の都合で1年以上も間が空いてしまい、その間も他案件が入ってくるため頭の切り替えが大変でしたが、約2ヶ月の現地調整を経てついに試運転までこぎつけました。
設計した設備が考えた通りに動いた時のなんとも言えない、忘れられない達成感。この気持ちを糧に、日々働いています。

制御設計
(プラントエンジニア)
N・H
当時入社9年目
(新卒入社)

2017.Jun.引き渡し

「一致団結」で味わえる一体感。
それが大型プラント
建設プロジェクトの魅力。
大型プラントに関わる案件で大切にしなくてはいけないことを私はあるOBから聞いたことがあります。それは「十分な衣食住をスタッフ全員に平等に確保する」ということです。
こんなエピソードがあります。
今回のような大きな案件では、現場を指導するSV(スーパーバイザー)がさまざまな国から集まり、その全てがゲストハウスで寝泊まりすることになります。私たちに用意されたゲストハウスは、一人一部屋の建物と二人一部屋の建物と2種類ありました。当初は一部のメンバーに対して二人一部屋のゲストハウスを使用していたのですが、そのことを知った当社のプロジェクトマネージャーが全ての国のSVに一人一部屋を確保し、ゲストハウスが満杯になってしまった場合は同等のホテルを予約しました。「自分たちと同じ釜の飯を食う同志として一人一部屋を確保する。一致団結するために十分な衣食住を確保すること、これがないと現場では決していい仕事は出来ない」という、当社の転炉チームに古くから伝わる不文律を守ったものでした。
また、休みの日には、近くのスパリゾートに行ってリラックスしたり、カレーパーティをしたり、鍾乳洞ツアーに行ったりと、みんなでしっかり休むことを徹底していました。スタッフの誕生日もみんなでパーティをして祝ったものです。夕食も、必ずみんなで食べて、飲んで、笑って、騒いで、それで次の日にはまた現場。ON/OFFを切り替えるため、仕事の話も文句も絶対にしないというのがルールでした。その切り替えがあるから、仕事では、みんなが同じベクトルを向いて協力できたのだと思います。
現地では原因不明の風邪や腹痛などいろいろありましたが、日本人スタッフで病気を治す理由以外で日本へ帰りたいといった人は一人もいませんでした。それぞれ、悩みもあったはずですが、全員が一致団結してまとまり、一つのチームへと成長していったことが、プロジェクトの完遂につながったのだと思います。こうした経験ができるのが「プラント建設プロジェクト」という仕事です。この、目標に向かって突き進む一体感を、これからの若い人にも残していきたいと思っています。


サイトマネージャー
K・S
当時入社21年目
(出資会社入社)

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